胃瘻チューブの威力
カンナに胃瘻チューブを設置してしばらくは毎日ガーゼを取り替え、穴から感染したりしないようにした。
瘻孔がきちんと完成するまでは不安だった。
わたし自身も胃瘻チューブの経験は初めてだったので、何もかもが試行錯誤だった。
まずはご飯。
チューブへの入れやすさを考えてクリティカルリキッドを入れたら、見事に嘔吐。
どうやらリキッド状の栄養剤は合わないみたいだ。
退院サポートも結構トロトロなので、そのままチューブへ入れれそうだと思い、入れた。
嘔吐はない。
翌日、下痢。
これもダメか…
a/dに変更。
フードを入れた時はいいが、お薬を入れるとまた嘔吐。
あー、せっかくご飯入れたのに…
少し体重が増えて3.6kgになった。
フードをi/d缶に変更。
これはちょっとチューブが詰まりそうなので、ミキサーにかける。
嘔吐はないが気持ち悪そう。
なぜかまた下痢。
i/dは合わないのか…a/dに戻す。
カンナに負担がないように、
食事をゆっくり30分くらいかけて入れてみることにする。
ゆっくり入れると嘔吐はおさまっているし、気持ちが悪いのも少しましそう。
体重はまた増えて3.7kg!
フードをヒルズのサイエンスダイエットシーフード缶とa/dを半々にしてミキサーにかけてみる。
トラブル発生‼︎
チューブでご飯が詰まった‼︎
どうしよう、どうしようと慌てたけど、詰まったのが入り口からすぐのところだったので、なんとかつまようじで詰まっていた固まりを取り除けた。
詰まっていたものは…
半透明の丸いBB弾のようなたま⁉︎
ちゃんとミキサーにかけたのに…
異物混入を疑ってフードメーカーの担当者に調査を依頼した。
1週間ほどで調査の回答が来た。
なんと、サカナの眼玉だそう・・・!
てっきり異物混入だと思っていたので、結果にはびっくりしたがほっとした。
今後もシーフード缶には眼玉が入ることがあるそうなので、チキン缶に変更した。
胃瘻チューブの手順
①フードの準備
胃瘻チューブの太さによるが、チューブが詰まらないようにミキサーにかける。
作り置きはしない方が良いので、私は朝に1日分をミキサーにかけてタッパーに入れ冷蔵庫で保管していました。
食事前に1回量をシリンジに入れ、60度くらいのお湯で湯煎。熱すぎると栄養素が壊れたり、火傷の危険あり。
同時に水も別のシリンジに入れ一緒に湯煎しておく。
②胃に残っている食事の確認
空のシリンジを胃瘻チューブにつけ吸い上げて、胃の残留食の確認をする。
この時、たくさん食事が残っているようであれば、食事の時間をもう少しあける。
③お薬を入れる
カンナの場合はお薬単体で入れると嘔吐することが多かったので、食事直前に薬を入れる。
薬も少量の水で溶いておき、粒はつぶしておくのがベスト。
④フードを入れる
温めて置いたフードをチューブにつないでゆっくり入れる。
カンナの場合は1回35〜40mlのフードを30分くらいかけて入れていました。
嘔吐がなければもう少し早く入れても問題ないと思います。
⑤水でチューブを洗浄
フードを全部入れ終わったら、温めて置いた水入りシリンジに付け替える。
水は水分補給よりは、チューブを洗浄することが目的なので少し勢いよく入れる。
この時チューブを少し指でつまみながら、中の汚れを胃に押し込む感じ。
(ホースで水を勢いよく出す時の感じで)
水もすべて入れたらチューブの蓋をしっかり閉める。
蓋が緩んでフードが逆流して悲惨なことになったこともありました…。
カンナもわたしも胃瘻チューブに慣れるまで、試行錯誤でしたが、慣れるとお腹がいっぱいになって温まると自然に眠ってくれるようになりました。
今まで満足に食事が取れず痩せていく一方でしたが、胃瘻チューブを入れて1ヶ月で体重は500g増えて3.8kgまで回復しました。
麻酔が不安で胃瘻チューブを入れるのにはためらいがありましたが今は胃瘻チューブのおかげでカンナの体力も回復してきて、調子がいい日はネズミのおもちゃで遊び走ったりできるようになりました。
カンナの顔が落ち着いてるのを見るだけで、わたしもホッとします。
カンナ
リンパ腫との闘いはまだまだだけど、一日一日一緒に頑張ろうね!
この時、毎週カンナが無事に過ごせた記念に母とプチデザートを食べることがわたしたち家族の幸せでした。
つづく
カンナの動画はこちら
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